肝だめし
第7章 微笑
朝になってもやはりフスマは開いていた
起きて中をのぞき込んでみる
あの女が三角座りで睨んでたら腰を抜かしただろうが、いつものガラクタ以外に何もない
「しょうもな…」
俺は思いっきりフスマを閉めると、いつもの様に準備して学校に向かった
教室に入ってすぐ石原さんに昨夜の体験を話しに行く
それは助けを求めるというより、彼女ならあの恐さを理解してくれると思ったから
しかし彼女の反応は厳しい
「あんたいい加減にしときや?死ぬよ?」
「えっ!死ぬの?」
死ぬと言われてビビるのはシャクに触る
あんなの認めたくないし負けたくもない
「大した事ないって!次はボコボコにするから♪」
「何も出来ひんかったくせに…」
「それが出来そうやねんて」
二回体験した事で金縛りから幽体離脱の流れを何となく分かったつもりでいた
眠りに入る瞬間、意識だけ覚醒すれば金縛り
逆にそれが解けた時に意識が完全に醒めなければ、あのフワフワ感が訪れる
それをコントロール出来ればきっと空も飛べるはずだ
当時、そんな持論をみんなに解説していた俺はかなりイタかった
「飛べたら石原さんちに遊びに行くから♪」
「アホ…」
石原さんは呆れ返ってた