肝だめし
第7章 微笑
その後も枕元に御神刀を置き続けた
なんの効力もないのはわかってるくせに
でもあの日を最後に金縛りさえ起こらない
一週間経っても半月経っても平穏な夜が続いた
「終わったな…」
空を飛べるか試したかったけれど、何はともあれ怖い思いをする事がなくなり一安心だった
この頃から実生活の中で、ある事が頻発する様になった
とにかく頭をぶつける
それは何かの出っ張りだったり、壁や地面、あるいは人だったり
反射神経や運動神経には自信があるのに、なぜか反応出来ずに毎日ぶつける
出血までは行かなくても頭はコブだらけ
回りの友達が気付くほど頻繁だったので、また祟りじゃないかと噂になった
もちろん石原さんも気づいて「多分彼女やから気をつけた方がいい」と忠告された
気をつけているつもりだけど、不意にぶつけるもんで避けようがない
そんなある日の事だった