肝だめし
第7章 微笑
「ぁ……ぅ……」
起き上がろうと空に向かって腕を伸ばすが力が入らない
目も開かずに暗闇の中
頭を強打した事により脳震盪を起こして全く動けずにいた
その様子に気付いた野次馬が集まって来て、俺にいろんな言葉を投げかけ始めた
意識朦朧として誰かは分からないが何を言ってるかはハッキリとわかる
「おい!ショウ!」
「大丈夫か!?」
「ヤバイって…」
「意識ない!」
「死んだんちゃうか?」
「保健室に運ぼう!」
「フフフ…」
「動かさん方がええんちゃう?」
えっ!?
今確かに女の笑い声が聞こえた
それも耳元で
声の高い男なんかじゃない
グランドに女は一人もいないし、この状況で笑うヤツもいないはず
「くそ…またか…」
俺は薄れゆく意識の中で全てを理解した