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肝だめし

第7章 微笑



「なんでサッカーやっとんねん!」

担任がやって来てボケてる俺に怒鳴る

まさかギブスしたまま走り回ってるとは思わなかったらしい

他にも何か言ってたが右から左へ流れてく

それより頭の中はあの女の笑い声でいっぱいだ





横になって約一時間、多少めまいはするが動くのに支障はない

「そんじゃ戻ろかな…」

ベッドを降りて歩き出すと保健の先生に呼び止められた

「どこ行くん?病院行くよ!」

「えっ?もう大丈夫やって」

「頭は後が怖いから、ちゃんと診て貰わなあかんのよ」

頭は打った時には平気でも、後で激しい頭痛や吐き気に襲われて手遅れになる事がある

いわゆる脳内出血

小さい頃、親にこの話を散々聞かされたので頭だけはぶつけない様に気をつけていた

そういやこんなに強く頭を打ったのは生まれて初めてだ

急に怖くなった俺はおとなしく病院へ向かった


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