
肝だめし
第1章 墓地
「うそやろ…」
よくある心霊現象あるあるが目の前で起こってる
ベタ過ぎて笑ってしまいそう
こんなのはカメラの調子が悪いだけ
霊の仕業だなんて絶対に認めない
認めてしまうと恐怖に飲み込まれそうだった
もう一度、もう一度試してみよう
三回連続はないはず
充電完了の灯りを何度も確認してから暗闇に向かってカメラを構えた
「頼む!点いて!」
カシャ!
「!!!!!!」
直後、俺は自転車を死ぬほど漕いでいた
やはりフラッシュは点かなかった
「あかん!マジや!」
俺は全身に鳥肌を立てながら夜道を駆け抜けた
