肝だめし
第7章 微笑
石原さんのお経が終わった
「彼女ずっとそこに立ってるけど、多分もう大丈夫やから…」
「多分?」
まあ、とりあえず一安心
俺は念の為にもう一度手を合わせて深々と頭を下げた
「うわっ!」
その途端、線香が凄い勢いで燃えあがった!
なんて事もなく…
石原さんにお礼を言って、静かにその場から立ち去ったのでした
これを期に不可思議な現象はなりを潜め、俺は平穏な生活を取り戻した
この一連の出来事が肝試しによる祟りなのかどうかは分からない
でも興味本位でお墓に立ち入るという事は、他人の家に土足で踏み込む様なもの
俺はあそこで彼女を怒らせてしまったのだろうか?
未だに半信半疑ではあるが、この時に味わった感覚はそれっきり体験していない
おかしな夢を見ても目が覚めればハッキリ夢だったとわかる
あの恐怖はあの時だけのものだった
いや、あの時だけのはずたった…
それから三年後、俺は再びあの女と対峙する
夢と現実の狭間ではなく、現実の世界で