肝だめし
第8章 叫喚
寝惚けてラジオに切り替えたかと思い、そちらのスイッチにも触れてみるがそれもなし
「はぁ~!?」
かなりイラッとした俺は、ここで初めて頭を上げてステレオを見た
カセットでもラジオでもない
もちろんCDも動いてない
電源の赤く小さな明かりが灯ってるだけ
なのに雑音の様な小さな音が鳴り続けている
「なんなん??」
こんな事は初めてで原因が全くわからない
「ザザザザー…ぁ…ザザザザー…ぁぁ…」
やがて寝ぼけた頭が冴えてくると、雑音の中に人の声らしきものが混じってる事に気づいた
「無線?」
近くに国道が走ってるので、よくトラック無線が入ることがある
でもそれはラジオの時に限られるし、いつものトラック運ちゃんらしく荒々しい喋りでもなかった