肝だめし
第8章 叫喚
いったい何の音だろう?
「ぁぁ……ぁ……ぁぁ…ぁ…」
雑音に混じってるので実際は「ぁ」とも聴き取れてない
何かを呟いてる様な、呻いてる様な
部屋は真っ暗、雨戸の隙間からほんの少し漏れる明かりで、うっすら前の様子が分かるぐらい
頭では否定しつつもジワジワと恐怖がこみ上げてくる
「いやいや、そんなわけない、変な電波やろ」
自分に言い聞かせながらステレオのボタンを押しまくる
カチャカチャカチャ…
やっぱり何も可動していない
「え~なんなん!?」
ここでカセットをかけて音を消してしまおうかと思ったが、正体を突き止めずに終わるのも後々怖いので踏みとどまった
でも膨らむ焦りと恐怖は抑えられない
それと比例する様に、その音はどんどん大きくなっていった