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リアル

第14章 最終回

帰り道家へ向かうホームに立ち、亜美は電車が来るのを待っていた





電話が鳴り、見てみるとゆうからだった





心臓がドクンと高鳴った





はい。もしもし。





ゆうですが、今大丈夫ですか?





はい。大丈夫です。





あ、あの、亜美さんの将来の夢は…結婚したい。とか子供が欲しいとか、思うタイプですか?





ぎこちなくゆうが聞いてくる




…そうですね。子供は好きですし、普通に結婚して普通に家庭に入るってイメージはしてきました。




(今日あんなに冷たくしてきたくせに、何よ。)
亜美は無愛想に答える





…そうですか…。
あの、結婚は出来る国に行けば出来ますが、オランダとか、カナダ。東京も渋谷か…でもまだまだかな?

子供…となると、難しいです…





???

何ですか?





ゆうが、言わんとする事が理解出来ず、亜美は冷たくされた仕返しをしてしまう





私と付き合うとなると、亜美さんの将来の夢を叶えてあげる事が出来なくなる。私には子供を作ってあげる事が出来ないから。だから…


…それでも…どうにかいい方法を二人で考えよう。





反対のホームから声がしたので亜美が顔を上げる





亜美さん!

あなたの事が好きになりました!

付き合って下さい!





は?!ちょっバカ!?こんな所で!




大声で叫ぶゆうに亜美が顔を赤くして言った





携帯を握りしめる手が熱くなる




反対のホームに居るゆうに向かって叫ぶ




何よ!私と話した事も無かったくせに、何も知らないくせに!





亜美の事、あの時好きになってしまった!
付き合って下さい!





−〜行きの電車が参ります 白線までお下がり下さい−



アナウンスが流れ、亜美のホームに電車が入って来た




電車の音でゆうの声がかき消された




亜美の居たホームは人が溢れ、姿が見えなくなってしまった










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