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男が窓の前に立ち、窓枠の上部に布を掛け始めた。
分厚い遮光の布なのか、部屋の中が覗けなくなってしまった。
僕が覗いていることを気づいてしまったのだろうか？
あの時、男と目が合ったのかもしれない。
不安が過る。
彼女のことが心配で堪らない。
また男に彼女が酷い扱いをされているのかと思うと僕の胸が苦しくなり、体の芯が熱くなる。
何もできずに時間だけが徒に過ぎていく。
相変わらずカーテンは閉ざされたままで、彼女の姿が見える事はなかった。