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僕は君を連れてゆく

第13章 流される


あまりによく寝てるからそのまま放置して、
ビデオ見終わって、にのの2回目にまた、期待しつつ解散になった。

智くんはそのまま寝てて…

18時すぎたから起こしたんだ。

「智くんっ!起きなよ…」

人のベットでよくそんなに本意気で眠れるなって。
起こしてもちっとも起きなくて、寝返りを打ったときに香ったその香り。

なんだか、甘くて…
その香りに誘われるように口元に手をやって眠る
智くんの顔をまじまじと見つめた。

俺の視線を感じたのか、そうでないのかわからないけど、目を開いた智くん。
「しょ…ちゃ…。」

掠れた声で俺の名前を呼ぶ智くん。

俺は智くんに対して今まで抱いてきた感情とは
違うナニかが俺の中をジワジワと流れてくるのを感じたんだ。

「あっ…ビデオ終わった?」

「う、うん。智くん、そっこうで寝てたね。」

「眠くなっちゃうんだよね…なんか…」

俺はあんなビデオ見たあとだからなのか、
体が熱くて、熱くて…

立てない…

「みんなは?」

「あぁ、とっくに帰ったよ。」

智くんはベットから出る気配がなくて、掛け布団を
被ったまま体ごと、俺の方を見た。

「翔ちゃんはあるの?」

「えっ!?なにが?」

「Sex。したことあるの?」

「なっ!なんだよ、急に!智くんは?」

「俺…俺はあるよ。高一の春休みにね。」

嘘…
あの、智くんが…
ってことは、このメンバーで童貞なの、俺だけじゃん!

「ま、まじで?そうなの?どうだった?」

こんな聞き方したら童貞ってバレるはな…

「ん…なんか、もういいやって、感じだった。」

「え?もういいやって?」

「ん。もういいやって。」

どーいう意味だよ!
わかんねぇー

智くんが…
シたんだ…



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