ガラスの靴がはけなくても
第6章 年下の男の子
確かに連絡が来てもすぐには返してなかったけれども。
誘われるって雰囲気になったら連絡止めたりもしたけれども。
これはないんじゃないの?
何もわざわざこんな所で。
颯爽と去って行く後ろ姿を唖然と見つめる私に、いくつもの視線が刺さってる。
ほら!
好奇と興味に満ち溢れたこの笑顔!
「やだっ!なになに?莉乃ったらやるじゃない!あの、営業部若手人気ナンバーワンの澤村くんからのお誘いなんて。しかも話の流れからして、今まで誘い断ってたなんて!ありえないんですけど!」
嬉々とした声をあげる香織さんに、今日は二つ下の亜依ちゃんまでが乗っかる。
「本当にありえなーい!ずるい!澤村さんのこと私狙ってたんですよー」
知らないよ!
いやいや、澤村くんが人気あるのは分かるし知ってるけど。
キャーキャー言いながら騒ぐ二人を見て、苦笑いを浮かべるしかない私。
香織さんと似たテンションの亜依ちゃん。
この二人の組み合わせは最強過ぎる。
してやられた感でいっぱいだ。