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ガラスの靴がはけなくても

第7章 春の風



今日は風が強い。
ビューっと音が鳴るくらいに吹き付けてくる強風のせいで足を止めたのは私だけではなかったけれど。



「…さとる」



思わず呟いてしまった声で、立ち止まった理由が風のせいではないことを伝える形になった。


私と部長の間に流れている空気が震えた気がした。


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