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ガラスの靴がはけなくても

第7章 春の風



そのまま引き寄せられ耳元に囁かれた言葉に心臓を跳ねされられる。
でも、それはいつもの高鳴る感じとは違って。



「部長まっーー」



「莉乃!」



またしても塞がれた私の言葉を遮るのは、部長ではなくて。



思わず振り返った先には悟がいて。




「藤野の勝ち」




そして、その言葉と共にシトラスの香りが遠ざかっていった。






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