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ガラスの靴がはけなくても

第4章 揺れる




"俺が何でお前にキスしたか分かる?"



"分からないなら今は分からなくていい。俺が教えてやる"



給湯室での部長の言葉。ずっと私の中でぐるぐるしてた。


抱き締められているから部長の顔は見えなくて。
だけど、抱き締められているから分かる。


私と同じ様に強く早く脈打つ心音。



それを感じて――



……ドクン……



痛いくらいに心臓が跳ねた。



「分かりませんっ」



そう言った声は震えてた。



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