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15年間片想いしてみた

第3章 進展と後退

彼女と付き合いたい。
でもそれは両刃の剣であることを幼いながらも理解していた。

もし告白して、ふられてしまったら?
もう今までのような関係は望めない。

きっと疎遠になってしまうだろう。

ならいっそ今のままでもいいか。

いや、やっぱりこのままは耐えられない。

そんな堂々巡りを繰り返していたある日、りょうが俺にいう。

「ゆう、好きなんだろ?まりちゃんのこと」

「え、な、なんのこと??」
わざととぼけてみせるが、無駄のようだ。
「誤魔化すなよ。」
「、、、、。」

「実はさ、俺も好きな人できたんだよ。でさ!俺も今度、告白しようと思ってるんだ!」

「え?」

「だから!一緒に、勇気出してみようぜ!!」

「りょうくん、、、。」

「俺だけうまくいったら悪いな!」
俺の背中を叩きながらニカッと笑い、りょうは去っていった。
ほんとに変わったやつだ、そう思ったけど、やっぱり俺は嬉しかった。
そして、滅多に奮わない勇気を使うことに決めたんだ。

ちなみに2日後、あいつはフラれた。

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