半社会人(仲村慶彦の憂鬱な日々社会人編)
第9章 全く記憶にない
店出たのはいいが、これでキャバクラに行ったらマズイよな。
ていうか、ホントにキャバクラに行くのかよ、野村ぁ!!
オレは女の前だと持病が再発するんだぞ、わかってんのか、オイッ!
「仲村、次行けるか?どうなんだ?」
どうしてもオレをキャバクラに連れていきたいのか、野村は。
「大丈夫!やってやる、*%$#'&」
自分でも何言ってるかわかんねー。
んだけど、どうしてもオレを連れていきたいなら、行ってやらぁ!
………ふと気がつけば、何故か天井が見えた。
ぐぁっ!!頭痛ぇ~っ!!
どこだ、ここ?
「あ、起きた?オハヨー」
…誰だ、この女!?
あ"!!
この女、確か…
って、知らねーよっ!!
誰だ、お前?
ここ何処なんだ、一体?
「亜美パイセンのおにーちゃん、久しぶり。覚えてない?」
亜美パイセンだぁ…?
!!奈央の妹かっ?
まさかオレ、奈央の妹と…
「ヨッちゃん!」
…この呼び名は幼き日のオレの呼び名…
て、ことは…
奈央!
…とその妹の唯!
「あ"だま"痛ぇ~っ!!」
「おにーちゃん覚えてないの、昨夜の事?」
何だ?…全くわからん!
しかも何故この姉妹が?
この姉妹の姉は奈央、妹は唯。
オレは奈央とは近所が近く、高校まで同じクラスだった。
いわゆる幼なじみってぇヤツで、オレがコミュ障にならない、唯一の女だ。
「唯がね、ヨッちゃんが歩けないからってアタシに連絡くれたのよ。何であんなに飲むかなぁ?」
全くわからんし、何故オレがこの姉妹に介抱されたのだ?
「おにーちゃんアタシがバイトしてる店に来たの覚えてないの?」
にゃに~っ?
バイトって?赤ちょうちんにはいなかったぞ、お前は?
「唯ね、キャバクラでバイトしてんのよ」
キャバクラ行ったのか、オレは?
全っ然覚えてねぇ~っ!!