半社会人(仲村慶彦の憂鬱な日々社会人編)
第66章 まだ半人前だな
オレたちは近くの炭火焼き肉の店に入った。
まずはビールで完敗。
「あ、そうだこれがあったんだ」
何やら紙袋をオレに渡した。
「はい、誕生日おめでとう!これはプレゼントね」
「あぁ、ありがとう。何かなこれは」
「んー、お財布とネクタイwww実用的な物がいいかなっておもってさ」
「いや、ちょうど財布がボロボロだったんだよ、ありがとう」
「いえいえ、どういたしまして。その代わり明日の朝ごはんの支度はヨロシクね」
「結局それかよ。まぁいいでしょ、そのぐらいは」
「ヤッター、よし今日は飲んじゃおっw」
「あんまり飲み過ぎるなよな。オレはとことん肉を食おうっと」
カルビやロース、タン塩を注文して食べまくった。
「もう30越えたからそろそろコレステロールを心配しないとね。何てたってもうすぐパパになるんだから」
「えっ…そうなのか?いつ判ったの?」
「んとね、今日病院に行ってオメデタだって言われたの…」
「マジで?ヤッター、オレとうとうパパか!しかも誕生日にそれが解るなんて今までサイコーの誕生日プレゼントだっ!」
オレは不覚にも泣いてしまった。
「何も泣く事ないじゃない、大げさな…」
「いや、オレは嬉しいんだよ…こんなオレでも結婚できて、パパになれるんだから…ありがとな、沙織」
「こちらこそありがとう、ヨシヒコ」
「あ、じゃビール飲んじゃダメじゃないか!」
「一杯ぐらいいいでしょ?」
「じゃオレも一杯だけにしよう」
これでオレもようやく一人前の男になったのかな…
いや、まだかな。半人前かなまだまだ。
てことはまだまだ半社会人だな…
完