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半社会人(仲村慶彦の憂鬱な日々社会人編)

第39章 アンタ仕事しろよ!


「いや、お前はどっちかっつーと年上の女の方が合うんじゃないかな。お前まだ童貞だし、年上の女にリードしてもらった方が良さそうな感じがしてな」

年上?考えた事もないぞ、そんな事!

「お前、沙織の事どう思う?」

えぇ~っ!何だいきなり!

「いや、どうって。仕事教えてもらってる良いセンパイだと思ってますが」

「そうじゃねぇよ!沙織を女としてどう見てるかって事だよ」

正直に言えば沙織はいい女だと思う。
できればああいう女と初体験できたら幸せだなぁと思う事もあるが、沙織はオレを男として見てないだろうな。

「そ、そりゃ綺麗なヒトだと思いますが…」

「仲村、お前沙織と付き合ったらいいんじゃないか?沙織ならお前をリードしてくれそうだしなw」

「何言ってんすか、高橋さんはオレの事を何とも思ってないすよ」

多分、弟のような存在としてオレに接してるんだと思う。

「いや、ありゃお前に気があると思うな」

マジで?沙織がオレに?
そう考えると思い当たるフシが…

いや、ない!絶対あり得ない!
そんな事考えたら余計意識するじゃんかよ!
童貞のオレに余計な事吹き込むな!
勘違いして告白なんかしたら自殺モンじゃないか!

「ないですよ、それは。ただ単にパシりに使ってるだけですよ、オレを」

うん、そうだ!アンタと一緒でオレをパシりに使うようなヤツだ沙織は!

「じゃ、もし沙織がお前の事好きだったらどうする?」

…あり得ねえだろ、野村!

オメーの頭はそんな事しか考えてねえのかよ!

「絶っ対にないですよ、それは」

オレは語気を強めて言った。

「ていうかお前、沙織と付き合っちゃえ!大丈夫、心配すんな!アイツはお前の事を気に入ってるはずだ!な?だから付き合っちゃえよ」

何故強引にくっつけようとしてんだ、野村!

コイツ何か企んでるのか?

…っていうか、仕事しろよ、野村!
何でいつもサボってんだ、テメーは?
よく考えたらこのオッサンが仕事してるのあまり見たことがない。

何でクビになんねーんだ、このオヤジは?

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