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委員長はエッチでした

第12章 真夜中のおしおき




━━夢を見ていた。
明日は亮と
旅行に行くから
準備して
早く寝ようと思って
なかなか
寝つけなかったから……。



夢の中で
誰かが
あたしの体を
触っている……。



この感触
この手の平の大きさや
体温に
見覚えがあった。



……これは夢
現実なんかじゃない……
あの人は
もう
あたしには会わないし
会えないように
皆が……。



あたしを
守ってくれて……。



リアルな夢
あたしの体に触れる体温
熱い吐息まで
耳元で感じてしまう。



「……い…やっ、
あたしに……っ、
触らないで……っ!」



金縛りに
なったみたいで
体が動けなくて
瞼が開かない……。



くすりとした
気配だけで
分かってしまう。



これが誰なのか……。



これは夢だ
現実なんかじゃない……。




「どうして、俺だけはダメなの?
……あいつらはいいのに?
そんな事はないだろう?
お前は分かっている筈だよ。
……気持ち良ければ、いいだけなんだろう?

俺の体からは……逃れられない筈だよ?」



……艶やかな結城さんの声。
雷に撃たれたように
体がすくんで
恐怖で
動けない。



そんな筈はない
この家は
啓介のおばあちゃんの家で
誰にも知られていない筈だ
結城さんに
知られないように
していた筈だよ。



だからこれは
有り得ない夢。



結城さんが
寝ている
あたしの体に触れて
寝間着を脱がしている
なんて
あってはならない
現実……。



「ああ、彩香の体……、
綺麗だ……、
誰かのキスマークも……、
全て、消えてしまったんだね……、

俺の印を、また、付けてあげるよ?」



布団の上で
全裸にされて
動けずに
ただ横たわるあたし

客観的に
その姿を見ている。



まるで
映画のワンシーンのように
上半身裸の
結城さんの体が

月の光に
うっすらと浮かびあがる。



綺麗な体つき
美しい
その存在感に
恐くなる。



サラリと
その髪が揺れて
綺麗な瞳が
あたしの体を捉える

野性的な視線を感じて
苦しくなる。



これは夢
こんなのは
おかしい……


こんな事
あってはいけない……!

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