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委員長はエッチでした

第12章 真夜中のおしおき





結城さんの体が
あたしの体に
ゆっくりと
覆い被さる。



ズシリとした重み
肌の感触に

懐かしさを覚えた。



熱い溜め息が
耳元にかかった。



「ハァ…っ、
彩香……っ、
お前を抱きしめた瞬間、
お前の肌の感触……、
ふんわりして、いつも、幸せな気分になる……、

このまま、ずっと、一緒にいたいのに、
……どうして、俺から逃げる?

愛しているのに……っ」



体中に這わされる
熱い舌の感触
時折キスを落として
チクリと吸い付かれた。



リアルな感触に
体中に電流が走る。



涙が溢れて
恐る恐る
瞳を開けてしまった。



目を開けると
恐ろしい程に
綺麗な結城さんの
顔が目の前にあった。



「……彩香……!」



その熱い瞳に
捉えられてしまった。



この目を見てはいけない。
また
捕らわれてしまう
あたしは
もう
捕らわれる訳には
いかない。



亮……。



脳裏に浮かぶのは
いつだって
優しく微笑む
亮の顔。



それなのに。



亮の顔が
遠ざかって行く。



これは夢じゃない……?



現実の結城さんの
綺麗な顔が
あたしの顔に近付き

唇が重なった。



どうして……?



結城さんの
体の向こうに
写る景色に
息を飲む。



古い木の枠の窓
上の方に小窓があって
その小窓が開いている。



結城さんの
身長と
手の長さなら
あの小窓から
手を入れて
伸ばせば鍵に届く。



簡単な作りの
古い家。



まさかとは
思っていた。


大丈夫だとも
思っていた。



……本当に?




予感はあった筈だ。



結局あたしは
いつだって
この人からは
逃げられない。



……逃げられない!

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