テキストサイズ

委員長はエッチでした

第12章 真夜中のおしおき





あたしと
お母さんを捨てて
結婚を……?



啓介には弟と妹が
いるって
可愛い
チビだと
啓介は言っていた……。



啓介は知って……!?
最初から
全部知ってて……!?



あたしの心の中で
黒い嵐が巻き起こり
感情が高ぶり
体が震える。



頭を激しく殴られたような
感覚
呆然として
ただ震える
あたしの体を

結城さんが
優しく抱きしめる。



「ああ、彩香。
可哀想に……。

あんなに憧れてた、自分の本当の父親が、
まさか、すぐ近くで、
のうのうと幸せな家庭を築いてたなんて、
思う訳ないよね?

しかも友達である、啓介くんが義理の息子
だなんて、出来すぎた話だよね?

あいつらは、自分の罪悪感を
善意に変えて、自己満足で、
お前を騙していたんだよ?

俺から彩香を奪って、
彩香をババアに押し付けて、
自分達は家庭を守ってる気でいるんだ。」



「……違う、何か…事情がある筈だよ……
あたしは捨てられた訳じゃ……」



「……子供をオロセと、早苗に言った
そうじゃないか……?
一歩間違えてたら、お前はこの世に、
産まれてなんか、なかったんだよ?」



耳元で囁かれる
悪魔のような言葉。



……思った筈だ
お母さんの昔の彼氏かもと……。



償いたいとか
何かそんな事を
彼は啓介の家で
言っていた……。



悪い事をしたとも……
それは
いったい
なんだと言うの……?




「可哀想な彩香。
俺はお前の父になり、親友になり、
恋人にもなるよ。
お前の為なら、なんだってなれるんだ。

だから、俺と一緒になって欲しい」



熱い視線があたしの顔を
じっと見つめる。



その目を……
まともに見てしまった。



……ダメだ。
見てはいけない。



結城さんは
毒なんだから。



見た目の美しい毒。



ゆっくりと狂わされてしまう。



固まったままの
あたしの唇に
結城さんの唇が
熱く重なった。



……堕ちて行く。



真っ暗などこかに
堕ちて行く感覚。



それなのに
与えられる快感には
敏感に反応してしまう。



どうしてだか
この人の腕からは
逃れられない。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ