テキストサイズ

委員長はエッチでした

第12章 真夜中のおしおき





畳の和室。
良く見れば
左側のほうが
山になってるようで
大きな木が
揺れているのが分かる。




「じゃあ、ごゆっくり〜」




亮に軽くウインクする
女将さん

また
顔を赤くしながら
手を振る亮。




「遠い親戚って、昔からここには良く来るの?」



荷物を下ろして
取り敢えず
急須にお湯を注ぐ。



「ああ、今の女将さん、翔矢さんの
本当のお母さんだよ?」



「……はあっ!?」



「翔矢さんの生い立ちも複雑で……
お父さんはハンサムだし、3回目の結婚
なんじゃないかな?
旅館の経営だけ参加して、2回目も別れたし、
今の人はエステサロンの経営者だったかな?
ビジネスがらみで結婚してるから……
何気に金持ちなんだよね?」




熱いお茶を飲んで
クーラーの温度を
少し下げている。



「親戚が多いのも、翔矢さんのお父さんが
増やしているからで……
まあ、ややこしいんだけどね?」



「はぁ、なるほど……」



親戚が多い……。




ふと
思い出してしまった。



啓介のお父さんが
本当にあたしの
お父さんだったなら

その子供達は
あたしとキョウダイ
だってこと……?



可愛いチビッ子が
二人いるって……

弟と妹……



あたしに
キョウダイ……?



あたしは
何も知らなくて
一人だと
ずっと思ってたけど。



翔矢にも
色々あったんだな……。



翔矢に
相談してみたい……。




そう思ってたら
亮が
あたしの名前を
呼んでいたことに
気付いた。




「彩香さん……?
……何かあったよね?
それぐらい、分かるから……」




はっとして
視線を上げて
真剣な亮の視線と
まともにぶつかる。



━━何かあった
どころの
騒ぎじゃない

だけど
それを亮に言って
どうなると言うの?



今度はあの
お婆ちゃんの家を出るの?



結城さんから
あたしは
本当に逃げられるの?



本当に
逃げたいと
思っているの?



お母さんに
相談すれば
きっとお母さんは
なんとかしてくれる。



分かっているのに
どうして
何も言えないの?



恐い?



それとも……
……逃げれないと
思っているの……?



自分が……
分からない。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ