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委員長はエッチでした

第12章 真夜中のおしおき





髪型を変えて
コンタクトレンズに変えた亮は
相変わらず格好良くて

学校では
急にモテるようになった。



だけど中身は
相変わらず
口下手で
すぐに赤面する。



そのギャップがいいと
騒がれるもんだから

少し面白くない。



学校でも
亮の家のアパートでも
二人きりに
なれなくて。



週末のデートを
楽しみにしていた。



色んな所に
連れて行って貰ったけど

温泉旅館なんて
はじめてで
嬉しくて

何だか緊張する。




駅からはタクシーに乗り
そんなに
遠くもなく
亮の親戚が
経営する旅館に

思ったよりも
早く到着したんだ。




すぐ傍が
山と林に囲まれて
旅館の足下には
小さな川が流れる。



川に囲まれた
小さな街



はじめて来たのに
懐かしい
気持ちになる
素敵な場所だった。





「まあ〜いらっしゃい〜
本当に亮ちゃんかね〜?
大きくなってまあ〜!」



老舗旅館の
女将さん。



着物の似合う
美人



━━と思っていたけど
着物の上から
かっぽうぎを着た
まるまるとした
かっぷくのいい女将さん。



綺麗な人ではあるけれど。



挨拶をするあたし達に
気さくに話かけて
亮の背中をバンバン叩いて
ころころ笑っている。



かと思えば
にやにやして
亮の耳元に
ひそひそ話をしている。




みるみるうちに
赤面する亮

それを見て
笑う女将さんが
あたしに謝りながら
部屋に案内してくれた。



「……あ、あれっ?」



旅館の真裏は
山だとばかりに
思っていたら
何故だか
1面の海が広がっていた。




「あっちの部屋は
山しか見えないからねぇ?
こっちの方角の部屋は海が見えるのよ?
人気の部屋だけど、亮ちゃんの
お願いは聞いてあげなくっちゃね?」



襖を開けて
外の景色が見えるように
してくれて
自信ありげに
からりと笑う女将さん。



自慢の景色だと
言わんばかりに
見せられた。



季節はもう秋
いつの間にか
肌寒い時期になってきている。



天気のいい日
波は穏やかで
気持ちのいい風が
シンプルな部屋に入っていく。

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