いとしいとしというこころ
第6章 好き?
大学で顔を合わすと一緒にいるようになって。
大ちゃんは大学の近くのアパートに住んでるらしい。
俺と一緒でバイト人。
「俺もハタチ目処に一人暮らししたいんだよね。」
「そうなんだ。」
「実家も、いいんだけどね。
だからお金貯めないと。」
「彼女でも連れ込もうって?」
「違うわ!」
即答した俺に大ちゃんが尋ねる。
「あれ?彼女いないの?」
「いないよ。そういう大ちゃんは?」
「いない。」
「お互い寂しいねー。」
俺の顔を見て大ちゃんが言う。
「寂しそうに見えない。てっきり彼女持ちと思ってた。」
「そお?」
「だって、時々すげー嬉しそうに携帯眺めてるじゃん。」
……
顔を赤らめる俺に突っ込んで聞いてくる。
「好きな人か。」
……
好きな…人…
和くんを思い浮かべてあたたかい気持ちと、せつない気持ちが同時にやってきた。
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