いとしいとしというこころ
第8章 友達の弟
さっきから何度も和くんを盗み見してる。
あ、今日もピンと寝ぐせがある。
ケラケラ笑ってるな。
そんな風にひとつひとつに感想を持ってそっと視界の隅に入れておく。
可愛いな。
その笑顔やしぐさに癒されて、目を奪われるんだ。
ずっとそんな感じで追ってるから何回か目が合う訳で。
そしたらすぐに逸らされる。
何回かそれが繰り返されて、俺はそんな逸らさなくてもいいのに、って少し悲しくなってしまって。
でも。
和くんの耳が赤くなってるのに気づいて心臓がバクバクしてきた。
俺のバカ…
恥ずかしいんだね。
ごめん。
だからかな。
ちっとも俺の近くには来てくれない。
恥ずかしいのは俺も同じ。
だから少しはとなりに来てよ…
なんてね。
俺からも近づけないくせにね。
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