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bittersweet

第1章 1. 再会(現在)-riko side-

「はい、じゃー1番のサビから~」
「「はい!!」」


都内某所のスタジオーーー


「○○ちゃんサビに入ってすぐの時に△△ちゃんの後ろ通って左側に」
「はい!!」


「今日はこの辺で。 ちゃんと家で皆復習してきてね、お疲れ様」
「「お疲れ様でした!!」」


「莉胡先生の指導分かりやすくて大好きです!!」
「ありがとうー、嬉しいよ」


子供の頃からダンスが大好きで、小さい頃からダンス漬けの日々を送ってきた。
世界に通用するダンサーになるのが将来の夢だった。


「世界に通用する」まではいかないけど、夢やったダンサーという肩書きを手に入れ、アーティストのバックで踊ったり、アイドルグループの振り付けやダンスレッスンをしたり、充実した日々を送っている。


「莉胡ちゃん、ちょっと」
「あ、はい」


レッスン後、メンバーの女の子達と楽しくお喋りしていたら、事務所のスタッフに呼ばれた。


「莉胡ちゃん、Asterisk(アスタリスク)ていう男の子のアイドルグループ知ってる???」
「知って…ます」
「今度そのグループの新曲の振り付け、莉胡ちゃんにオファーきてるんだけど」


聞かないように、見ないようにしてきたグループ名を耳にして、言葉に詰まってしまった。


「ありがとうございます。 やらせて頂きます」
「良かったー、莉胡ちゃん今まで女の子のグループしか受けて無かったから男の子のグループから依頼来てどうしようとか思ってたんだけど、良かったー」
「受けて無いんじゃなくて、依頼が来ないだけです」


出来るだけ平常心を保って話せたはずだけど、心の中は穏やかではなかった。


「莉胡ちゃんのダンスめっちゃかっこいいから男の子のグループが踊ったらすごいだろうねー!! 今からもう楽しみだよー。 あっ、明日デモと前のMV何曲か渡すからイメージ膨らましといてね」
「はい、分かりました」

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