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bittersweet

第1章 1. 再会(現在)-riko side-

移動中の車内で確認した新曲は、かなりアップテンポなダンスナンバーで、聴いてすぐに踊り出したくなるようなノリの良い曲だった。

振付もどんどん浮かんできて、ダンサー心をくすぐる楽曲だった。

結構ガッツリ踊ってもらいたいな、でもアイドルの人達にあんまり難しい振り付け、無理かな…


帰宅後、参考までにと渡された過去のMVで、彼らのダンススキルを確認した。

関西出身なだけあって、コミカルな内容の楽曲もあったけど、しっかり踊り込んでいるような楽曲もあり、振りも揃っていた。

ちょっと難しい振り付けでも覚えてくれそうかな…。


それから数日間、アスタリスク側のスタッフさんと綿密に打ち合わせし、何度も振り付けのデモを送り、ようやく振りが固まった。


初顔合わせーーー

なんだか落ち着かなくて、今朝はいつもより早く目覚めてしまった。


スタジオに入ると、メンバーが勢揃いしていた。


「えー!! めっちゃ若い女の子が先生とか!! 気分アガルわぁー!!」
「俺らと同い年ぐらい??? 早く始めよ!!」
「お前ら先生やぞ!! ちゃんと敬語使わんか!! すみません、よろしくお願いします~」


同年代の女の子なんていくらでも出会う機会あるだろうに一気にテンションが上がるメンバー。


「rikoです。 普段はダンサーやってます。 男性のグループの振りを付けるのは初めてです。 よろしくお願いします。」


ワイワイ口々に騒ぐメンバーの後ろで口数少なく愛想笑いだけ浮かべるメンバーが1人。

目が合って、お互いに逸らす。

10年経っても面影はそのまま、でもものすごくかっこよくなっている。
こないだ宣材写真で見たはずなのに、なんだろう、全然違う。

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