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ナイト・ナイト・スウィート・ドリームス

第2章 孤独の温もり



お父さんとお母さんが事故で亡くなった。
その日は結婚記念日で、年に一回、2人で出かける日でもあった。

もうただの作業になりつつあるその日に死んでしまうなんて、可愛そうだと思った。
ただでさえ二人ともうんざりしていたはずだろうに、まさか命をも失ってしまうなんて思いもしなかっただろう。



二人の葬式は仕事関係者のみが参列した。

親族の席には、私しか居なかった。

毎回一人ぼっちの私を憐れむように礼をして焼香をする人たちを見ると、本当に一人になってしまったんだなと思った。


親戚などに身よりもなく、お母さんとお父さんはよっぽどのことがない限り家族とは縁を切っていたらしい。
今更住まわせてくれる人なんて居なかった。


遺品を整理しているとき、母の書斎にある引き出しの中に封筒が入っているのに気がついた。

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