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幸せだった日々

第8章 壊れた心

吉田先生に、栄養士さんとの現在の関係を話した2日後、栄養士さんが保育園からいなくなる時間を見計らって、園長先生が私を呼びに来た。


その日も朝からずっと怒られっぱなしで、私は身体的にも精神的にもクタクタだった…。。。


「吉田先生から全部聞いたよ…。結構前から、しほちゃんと栄養士さんとの関係がおかしいこと気づいてたのに、なんにもできなくてごめんね…。少し前に、さり気なく栄養士さんに、しほちゃんと最近どう?って聞いてみたの。毎日怒ってる声が聞こえてくるから、さすがに気になっちゃって…。でも、栄養士さんは普通にしてたから、それ以上聞くことはできなかったんだよね…」


その言葉を聞いて嬉しかった。私の知らないところで、動いてくれてたんだ…。


「しほちゃんがこれからどうしたいか、話を聞かせてくれる…?」


『…本当はこのまま何事もなかったかのように給食作りをした方がいいと思ってます…。でも…私はもう栄養士さんとふたりで給食を作っていく自信がありません…。怒られる原因は私にありますが、毎日毎日怒られるのは、もう耐えられません…。できることなら…この保育園を辞めさせていただきたいです…』


途中から我慢していた涙がこぼれてしまい、泣きながら話した…。
栄養士さんとの関係が壊れた今、ここの保育園で働く自信がなくなっていた…。


「毎日怒られっぱなしで本当につらかったよね…。よくここまで我慢して働いてくれたね…。もうこれ以上しほちゃんにはつらい思いさせたくないから、しほちゃんの意見を尊重するよ。だけど…今すぐ辞められちゃうと、給食を作る人がひとりになっちゃうから、3月までは働いてもらっていいかな…?」


『はい…。3月までがんばって働きます。』


「よかった…。しほちゃんがこの保育園を辞めた後、ほかの仕事先が見つからなかったら心配だから、私が良さそうな場所探しておくね」


園長先生の心遣いがとってもとっても嬉しかった…。


『なにからなにまですみません…。よろしくお願いします…』

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