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欲望ベイベー

第15章 好きすぎて。




S side




俺は何をやってるんだ・・・



水を飲みたいというニノの為に、コップに半分ほど水を注いで寝室に戻る。



ベッドの上には大きな団子がひとつ。
すっぽりと布団にくるまって拗ねているニノはさっきからワガママ放題だ。



早く帰って潤の料理を食べたいんだけどなー。
こいつの飼い主は何やってるんだ!



S「ニノ、良い加減出てこいよ。水飲め。」



N「・・・・・」



S「二宮さーん。」



N「飲ませて。」



S「は?」



のそのそと起き上がった布団のかたまり。
顔だけを布団から出して、口を尖らせて拗ねる様子は子供のようだ。



S「マウストゥーマウスで?」



ははっ、と笑って言えば、ますます膨れっ面になったニノ。
しまった。軽口は逆効果だったか。



余計な事は言わないでおこう。
コップをニノの唇まで持っていこうとした時、ニノが上目遣いで見上げてきた。



S「・・・なんでしょうか。」



あまりそんな目で見ないでほしい。
頼りな気に揺れる瞳に捕らえられると危険だ。



N「・・・翔ちゃん。」




S「・・・。」



いつもは翔さんと呼ぶニノ。
なぜそんな甘えた声で可愛く俺の名前を呼ぶんだ!!



N「こっち見てよ。」



S「・・・あ、いや、」



N「もうっ、何で目逸らすの、」



クイッと袖を引っ張られて焦った俺は、パッと手を引いてしまって。



S「あっ、」



N「あー・・・」



布団に零れてしまった水。
ニノの服も濡れてしまった。



N「何すんのよもう・・・まぁ、水で良かったか。」



S「悪い、タオルは・・・」



N「良いよ、座ってて。ドライヤー持ってくる。」



寝室を出て行くニノの後ろ姿を見送り、少しホッとしながらベッドに腰をおろした。



ホント危ないやつだなあいつは・・・
俺をからかってるつもりなんだろうけど、冗談じゃ済まされなくなるかもって思わねーのかな。




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