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誰も見ないで

第1章 告白


俺も普通の男子に比べたら少し高めだけど、それよりちょっと高くて澄んだ声

そんな声を聞いてから


「あ……えぇ、と……」


自分が告白されたんだってことを思い出した


好き
付き合って欲しい


付き合うって俺と君が?

考えたこともなかったけど
俺は普通に女の子を好きになるし、ごめんなさいって断ればいい

だけど


「……」


さっきも言ったけど、俺って本当にクラスで独りぼっちで

教室で楽しくわいわい喋るのとか、実は結構憧れてて

だから友達が、欲しくて


俺はつい


「……いい、よ」


なんて返事をしてしまった


「!! ほんと、ですか……」


俺が頷くと嬉しそうに口角を上げるその子、名前は確か紺野瑞稀(コンノミズキ)君、だったかな

紺野君は


「じ、じゃあ、明日からよろしくお願いします!」


とだけ言って屋上から走り去ってしまった


明日から?
お付き合いって明日からとかあるんだっけ?
一緒に帰ったりとかはしないんだ

まぁ俺も今日はこんな展開になると思わなかったから正樹(マサキ)に待って貰ってるんだけど


それにしても俺、クラスに話せる人出来ちゃった

これで独りぼっちじゃなくなるんだ
嬉しい


そして俺は誰もいないのをいいことに小さくスキップしながら屋上を後にして下駄箱に向かった

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