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誰も見ないで

第7章 罪と罰と罪と


家に帰ってから、父さんと母さんが


「今日は疲れただろうから、少し休みなさい」


と瑞稀君に言って、客間として使っていた部屋を瑞稀君に貸した

自分の物らしき物が何にもなくて不思議がってたけど、「捜査のために必要だと言われて渡している。すぐに戻ってくるから」なんていう嘘に納得してくれた


そしてリビングに戻った俺たち3人
誰も喋り出さず、沈黙が流れたけど


「湊斗……」


俺の名前を呼びながら母さんが俺を抱き締めて、その後父さんも俺を抱き締めてきたから

涙を抑えられなかった


「偉いね、湊斗」
「よく頑張ったな」


背中や頭を小さい子供にするみたいに撫でられて、恥ずかしい反面安心した


やっぱり親はまだまだ子供なんだ
情けない


暫くそのままずっと撫でられて、俺が泣き止んだら「湊斗も少し休みなさい」と言われて部屋に入れられた


ひとりぼっちになるとじわじわ蘇ってくる今日の出来事に、心が締め付けられるように痛む


瑞稀君のお父さんが、薬物を使ってて
それを瑞稀君も一緒に使われてて
暴力も、ふるわれて


ショックで
記憶がなくなってしまって


そこまで考えてハッと気がつく

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