詩織【温泉で、すっぽんぽん】
第2章 温泉で揉まれました。
私が素っ裸なのにはさすがに驚いたようだったが、
浴衣の彼が何をやっているのか、すぐ理解したらしく、ポットと茶菓子を交換して出ていった。
あとから考えると顔が真っ赤になるが、その時はなんとも思わなかった。それほど施術が素人ばなれして気持ちよかったのだ。
下半身が終わり、丁寧に体を返された。
全然恥ずかしくなかった。
体幹よりも脚への指圧が多い。
経絡(けいらく)を意識した、プロの指圧だ。
さらに、
筋肉の動きを見るから、と言って、
片足ずつ、自転車こぎのようにゆっくりと曲げていく。
これはさすがに恥ずかしかったが、
左足が攣(つ)りやすいよね、と言い当てられたのだから、尊敬の念までいだいてしまった。
◆
すべて終わると、少し汗ばんでいた。
そして、体が少し軽くなったような気がした。
思わず、全裸なのも忘れて立ち上がる。
鏡台で自分の体を見る。悪くないなと思う。
「ありがとう」
素直に彼に言えた。
生まれたままの姿でいることが、嬉しかった。
──そこへ、ノックの音。
「今度はだめ!」
あわてて、浴室へ飛び込んだ。
──────────
浴衣の彼が何をやっているのか、すぐ理解したらしく、ポットと茶菓子を交換して出ていった。
あとから考えると顔が真っ赤になるが、その時はなんとも思わなかった。それほど施術が素人ばなれして気持ちよかったのだ。
下半身が終わり、丁寧に体を返された。
全然恥ずかしくなかった。
体幹よりも脚への指圧が多い。
経絡(けいらく)を意識した、プロの指圧だ。
さらに、
筋肉の動きを見るから、と言って、
片足ずつ、自転車こぎのようにゆっくりと曲げていく。
これはさすがに恥ずかしかったが、
左足が攣(つ)りやすいよね、と言い当てられたのだから、尊敬の念までいだいてしまった。
◆
すべて終わると、少し汗ばんでいた。
そして、体が少し軽くなったような気がした。
思わず、全裸なのも忘れて立ち上がる。
鏡台で自分の体を見る。悪くないなと思う。
「ありがとう」
素直に彼に言えた。
生まれたままの姿でいることが、嬉しかった。
──そこへ、ノックの音。
「今度はだめ!」
あわてて、浴室へ飛び込んだ。
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