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ヴェルジェ~夢を追う少女~

第8章 一年次文化祭

「以上で在校生演奏を終わります。次は今年も来ました!!ゲスト、卒業生のDark Moonさんですっ!」

「おっ……お兄ちゃん!?」

 綺月がびっくりして目を丸くする。

 二年は一度経験あるので慣れているのかしと落ち着いているが、一年はざわついている。

 まさかこんな所で再開するとは。 はたしてDark Moonはどんな音を奏でてくれるのだろうか──…。

 Dark Moonはステージに上がる。

「どーも、Dark Moonです!」

 ボーカルの流蓮がそう言うと曲が始まった。

『~♪空から降りゆく君ノ花~』

 月夜さんの重低音ベースが響く。

『~オチテユク……~♪』

《ワァァ!月夜さーん!!》

 卒業生の月夜さんが圧倒的人気だ。

「次の曲は人気バンド、Dream Kissからのいただきもの『狂愛』です。今の曲は『落ちゆく』でした!」

『~♪ある日 突然お前は俺に言った~』

 テンポが早く荒っぽい歌詞と音。不協和音が響く。

 サビに入ると悲痛な叫びは酷くなる。

 メンバーは曲の早さや激しさに必死で弾いている。

『~Forever good bye~♪』

 曲が終わるとメンバーは息を切らしていた。最後まで切なかった。

 Dream Kissの誰が作ったんだろう?周りは圧倒されて、…。な状態だ。

「次の曲は綺羅、作詞作曲のDark Worldです!」

《綺羅さーん!》

 ここでようやく周りの硬直がとれた。

『~♪キミは何処?~』

 この曲は繰り返しがやたら多い。でもかっこいい。

 しかしやはりどこか悲しげだ。

 曲を聞いていてDark Moonがどんなバンドか掴めてきたかもしれない。

『~あぁ……そうだココハ……Dark World~♪』

「ありがとうございました!」

 流蓮がそう言うとマイクを奪った。

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