マリア
第11章 変奏曲 ①
雅「ふふっ。ごちそうさま。」
はっ、と我に返り、茶髪を突き飛ばす。
雅「んも〜いったぁい!何すんの?」
「そっ!!それはこっちのセリフでしょ?」
立ち上がって、情けない声をあげる男を上から見下ろした。
雅「チューしただけじゃん!?別に、減るもんじゃないし。」
「減るとか減らないとかの問題じゃないの!!」
雅「じゃ、どういう問題なの?」
「おっ…男が男に…キス…なんて…」
しどろもどろになる俺を、茶髪はニヤニヤ笑いながら見ていた。
雅「ふーん、もしかして、キスするの、初めて、とか?」
「は?そ、そんなこと、アンタに関係ないでしょ?」
雅「ま、いいや。」
な、何が、いいんだよ?
雅「君、ヒマ?」
「は?」
雅「今から俺とセックスしない?」
「セ…?」
開いた口が塞がらない、とは、こういうことをいうのか、と思った。
「アンタ、バカなの?」
雅「…かもね?テスト、赤点ばっかだし?」
「かも、じゃなくて正真正銘のバカじゃない?」
雅「…言うね?君も?」
茶髪はニヤリ、と笑うと、
屋上の出入口の鍵を閉めた。
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