マリア
第12章 追走曲
翔「いって……。」
「あ……」
咄嗟のことだったから、力加減が出来なくて、
恐る恐る翔くんに歩みより、僕が叩いた腕の状態を見ようとした。
「翔くん、ごめんね?大丈夫……あっ!!」
翔くんの手に触れようと伸ばした手を逆に捕まれてしまう。
翔「…答えなよ?」
「だからっ!!なんにもないってば!!」
翔「へー?じゃ、これからキスとかエッチとかするつもりなんだ?」
「翔くん!!」
相変わらずの不気味な微笑。
怖くて…
怖すぎて…
翔くんから目が逸らせない。
翔「いいこと教えてやろうか?」
「何?」
もしかしたら、少し動いたら手を離してくれるかもしれないと身動ぎしてみるも、
びくともしない。
それどころか、掴む力が段々強くなってきて、
段々、翔くんの側近くへと引き寄せられる。
翔「二宮くん…ほら、雅紀と付き合ってる、って知ってるだろ?」
「それが何?」
翔「彼、俺とも付き合ってんだよね?」
「どういうことなの?」
僕が顔をしかめると、翔くんは口元を不気味に歪めた。
翔「彼、俺ともセックスしてんだよ?」
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