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マリア

第14章 虚飾曲



そう言って柔らかく笑う相葉くんにほっとする。



が、それも束の間、



少し前から、僕の後ろでもぞもぞと動いていたものが、



僕のお尻の形に沿って動いていることに気づく。



え……これ、って?…



それでも、気のせいかもしれない、と思いつつもその不気味に蠢くものを野放しにしていた。



でも、それが良くなかったのか、



その不気味に蠢いていたものは、



はっきりと、僕のお尻の形が想像出来るよう、執拗に撫で回してきた。



もしかして…痴漢……?



でも…どうして?



どうしたらいいのか分からずに、ただ、唇を噛みしめ俯いていると、



相葉くんが僕の異変に気付き声をかけてきた。



雅「ホントに大丈夫?」


「あ…う…うん…」



相葉くんは僕の目の前にいる。



だから、この触手は相葉くんじゃない。



いや……怖い…



思わず、相葉くんの制服の袖を握って、相葉くんの顔を見上げた。



雅「ん?何?」


「うし…ろ。」


雅「え?」


「誰かが…」



気持ち悪い…



イヤ…



「助けて…」





僕は、目の前の笑顔に救いを求めた。



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