マリア
第15章 悲愁曲
雅「ふふっ。かずのそんな顔見るの初めて。」
いつもは感じているフリでやり過ごしていた俺だけど、
この間のコイツとヤった時から感じていた違和感。
「は…ぁっ……んっ…」
項から鎖骨を通って、
胸の中心をすぅーっと滑り落ちてゆく雅紀の舌。
それは、鳩尾を過ぎ、臍の手前で止まる。
体を起こし、真上から俺を見下ろす雅紀の目。
その奥に潜む闇にぞくぞくする。
雅「かず…」
名前を呼び、息もつかせぬほどに俺を貪る雅紀の唇。
そのすべてに、俺とあろうものが翻弄されている。
「まさ……き」
雅紀は、口元に微かな笑みを浮かべると、
俺の視界からふっ、と姿を消した。
「ひ……あ…」
不意打ちを喰らわすように俺のモノを握りしめる雅紀の手の感触に仰け反る。
雅「かず、ってばヤらし。もうこんなヨダレ垂らしてる。」
と、俺のモノを握りしめた手を上下させた。
「ぃやっ……あ……」
俺のモノを扱くたび聞こえる粘ついた水音。
ナゼか恥ずかしさに耐えられなくて腕で顔を覆い隠す。
でも、その卑猥な音は余計に耳にこびりついて離れなかった。
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