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マリア

第17章 序曲 ①



翌日、俺はものの見事に風邪を引いてしまい、ベッドに潜り込んでいた。



小学校からサッカーをやり始めてから約十年ぐらい、風邪を引いていなかった俺にお袋は、



「だから雪が降ったのね?」



なんて抜かしやがった。


幸い、食欲はあったから、お袋が作っていってくれたお粥を平らげ薬を飲んでから一眠りしたら、幾分楽になった。



でも、起き上がるとまだ少し熱っぽい感じがまだ抜けていなかったからトイレ以外はベッドの中で過ごした。



昼過ぎ。何となく小腹が空いた気がして、キッチンに降りていく。



でも、俺の胃袋を満足させるだけのものが見当たらなくて、



仕方なくまたベッドに潜り込んだ。



二宮に何か買ってこさせようかな?



まだ、学校が昼休みであるのをいいことに、二宮にLINEする。



和『風邪?マジで?何か食いたいものあります?』


ヤバい。思い浮かばねぇ…。



取り敢えず「何でもいい」と返してから、



少し歩き回って体力を使ったせいか頭がクラクラして意識を保てる限界だったこともあって、



ベッドに入った途端に眠りに落ちてしまった。



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