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マリア

第17章 序曲 ①



智「あっ!!逃げるの?」


和「違います、って?こんなとこで時間食うの勿体ないから帰るの!」



どーせ、ゲームの時間がなくなるからだろが?



和「分かったよ!?何だよ?もぉー!」



と、カバンを乱暴に投げ出し、ゲーム機を取り出した。



智は、子供みたいに不貞腐れてる二宮に、プリンを手渡した。



二宮は、プリンの封を空けると、口の中に掻き込むみたいに平らげた。



智「リンゴもあげるから機嫌直しなよ?」



と、綺麗に切り分け爪楊枝を刺したリンゴを二宮にくわえさせた。



和「んまい…」


智「でしょ?」



リンゴで智に手懐けられた二宮は、



壁に寄っ掛かって大人しくピコピコしていた。



智「翔くんも、はい。一日一個のリンゴは医者要らず、って言うからね?」


「あ、ああ…ありがと。」



食わしてくれんのか、と思ったら、手渡しでリンゴを持たされた。



和「ママ、食べさせて、って、顔してしますよ?」


智「え?」


「ばっ、ばか!!誰がママだ!?誰が!?」



智は、俺の手からリンゴを奪い取ると、ニコッと笑った。



智「はい、翔くん、あーん、して?」


「えっ!?あ…」



と、思わず口を開けたところへ、空かさず智がリンゴを放り込んだ。



智「おいし?」



に、二宮、てめえ…








…や、やるじゃねぇか。(←笑)



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