マリア
第17章 序曲 ①
「は?俺と?お前が?」
和「うん。」
「ふーん……。」
何で智がそんなこと…?
「ところでお前、雅紀とはどうなってんの?」
和「連絡してないです。向こうからも来ないし。」
「あ、そ。んじゃ、ホントに付き合っちゃう?」
和「何でそうなるんです?」
「…冗談だよ。」
智のやつ、ジェラってる、とか?
………ないな。うん。
ないない。あり得ない。
シーツを被り直すと、智が部屋に入ってきた。
智「翔くん、大人しく寝てる?」
和「ええ。さっき、ママにこっぴどく叱られたので。」
智「ママって、僕のこと?」
「さっき、美人コンパニオン、連れてきた、って言われてたぞ?」
智「ええ〜っ!!」
智は、暖めてきたレトルトのお粥やら、プリンやらリンゴやらを乗せたトレイをローテーブルに大きな音を立てて置き、二宮を睨み付けた。
智「んもー、二宮くん!!」
和「美人、ってつけてあげたじゃない?」
智「そういう問題じゃない!!二宮くんにはプリンあげないから!」
和「いいですよ、差し上げます。」
と、二宮は、カバンを肩に担いだ。
和「俺、帰ります。もう、用済みみたいだし?」
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