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裏小屋

第2章 キャンプ前~キャンプ地まで

「うわぁっ!」

 突然聞こえた、馳谷の叫び声。

 なにがあったのだろうか?

 石柿に飯ごうを任せ、桝本は馳谷と勝山のもとに向かった。

 見ると、金網の手前で馳谷が腰を下ろし、金網の向こうで勝山がケラケラと笑っている。

 現状がまったく掴めない桝本は、とりあえず、一言だけ聞いた。

「なにやってんの?」

 どうやら、金網の一部が大きく裂けてあり、そこから勝山が入り込み、金網越しに向こう側を眺めてる馳谷に、視野から外れた位置から顔を出して驚かせたという。

「なにやってんだ。もうすぐ飯が出来るから来いよ」と桝本は馳谷に手を貸すと、そのまま引っ張り上げた。

 立ち上がった馳谷の服は泥だらけ。

 桝本が、この真夏日、川の中でそのまま水浴びしたら、数分で服が乾くとの提案を出し、馳谷はベースに戻った。それに続くように、勝山も向こう側から出てきた。

 その時、桝本が見た。

 勝山が立ち去った後、金網の向こうに小屋があったのを……。

「なんだ、小屋あるじゃん」


 だが、二度見した時、小屋は重なった数本の木が、建物に見えただけのことだったが、桝本は「見たことにしよう」と思った。











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