テキストサイズ

裏小屋

第2章 キャンプ前~キャンプ地まで

 テントを張った後、昼食の準備を始める。

 カレーを作ろうとしていたが、材料が心許ない。

「さつまいもなんて用意するなよ。ルーの箱にじゃがいもって書いてるがな」

 今度は桝本が、材料を用意した石柿に文句をたれる。

「芋にはかわりない」

「まあ、あるものでなんとかしよう。玉ねぎは、焼き野菜用に用意してるのがあるから、それを使おう」

 だが、ここで、カレーに必要な重大なものが無いのに気が付いた。

「石柿……肉は?」

「ひろっちゃんに頼んでる」

「はぁーーっ!?」

 高橋は、晩に食べる焼肉の肉を買い込んでから向かうため、後からやってくる。

 来るまで待っていると、カレーが作れない。

「ちょっとまて石柿……なんでなん? カレー用くらい用意しとけよ」


「ひろっちゃんが、肉は任せろって言うから……」

「焼肉だけや!! あぁ、どうしよっかな」

 すると石柿が立ち上がって、テントの中を探り出す。

「まっすーん、これを代用しよ」

 石柿が出したのは、数本の魚肉ソーセージだった。

「……なるほど」

 これで出来上がったのが、まあまあな甘口のお子様カレーだった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ