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裏小屋

第2章 キャンプ前~キャンプ地まで

 キャンプ前日の話。

 飯盒炊爨の献立はある程度決まっていた。

 初日、昼までに到着する予定のため、昼食は、キャンプ定番のカレー。しかもレトルトではなく、ちゃんと料理をする。

 調理は飯盒1つとコッヘルセット(大小鍋が3つ。フライパン、ヤカン、お玉がつく)。

 桝本は量が作れるかどうかを心配していた。

「飯盒、もう1個用意した方が、よかったんじゃね?」

 すると馳谷が、コッヘルを指差した。

「まあ、足らん分は、コッヘルでも代用出来るやろ。そこは、臨機応変にいきましょう。問題は材料よ。どうする? 明日はみんな集まれないし」

 初日の昼はカレー。おやつにスイカ。夕食はバーベキュー。翌朝は、味噌汁を予定していた。

 桝本は、石柿に言った。

「自分、商店街から近いやん。カレーの具材用意しといてよ」

「えっ!? うん、いいけど……なにを買うの?」

「ここに書いてる」と桝本が、市販のカレールーを渡した。

 裏には、じゃがいも、ニンジン、玉ねぎ、肉とある。

「あ……うん……これって……カレー?」

「は?」

 石柿は野菜がゴロッと入っているカレーを、知らなかった。

 石柿のお母さんは、料理好きで、カレールーを使わずに、カレーを作る人だったため、息子は市販のカレールーを見たことがなかった。

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