テキストサイズ

裏小屋

第2章 キャンプ前~キャンプ地まで

 勝山が呆れかえった表情を見せる。

「おぅおぅ、出たで、お坊っちゃん反応。あのな、一般家庭のカレーは、これとか、レトルトで食うんだよ」

 すると、石柿。

「レトルトって、料理をしない人や、お金のない大学生が食べる安いものやろ」

 桝本、高橋、馳谷は、すぐに足を出した勝山を止めに入った。

「はいはい、かっちゃん落ち着けぇ、こいつは世間知らずの社長のボンボン、ちゃんと教えてやれ」

 桝本が、後ろからチョークスリーパーで、勝山を押さえつける。

 馳谷は、横になった石柿を起こす。

「あのな、石柿。お前の常識抜けた偏見も問題あるんやぞ。レトルトでも、いい値段するもんあるし、むっちゃ美味いやつもあるんや」

 石柿は左腕をさする。

「だって、僕はお母さんが作ったカレーの方が、世界的に見ても美味しいと思ってるから……」

 勝山は足を上げ、後ろから首を絞め上げる桝本の頭を蹴り、石柿に肘をぶつけていった。

「てめぇ、いつまでもマザコンでいるんじゃねぇぞ!! 来年、成人になるんだろうが!! もっと大人になりやがれ!!」

 そう言ってる当時の勝山は、テレビゲームと、ロボットアニメのプラモデルに夢中になっていた。

「それと、桝本!!」

 勝山の怒りは、桝本にも向けられた。

「お前、本気で絞め落とすつもりでグイグイきてんじゃねえぞ!! マジで一瞬、意識が遠退いたわ!!」

「いや、そうでもせんと、お前の勢いは止まらんだろ」

「止まるわ!!」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ