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裏小屋

第6章 その後

 深夜、雨風が続く中、駅までトボトボと歩いた。

 度々、ジョークを言いながら、鼓舞しつつも、疲れた体で歩いていった。

 財布の中も、水が染み、駅の切符売り場でお札が使えなかった。しかも、まだ切符売り場の窓口が開いていない。

 やっと切符が買えた。服とリュックはグショグショで、入れるところがないため、ずっと指にはさんでいた。

 電車内は冷房がきいており、かなり寒かった。大阪まで帰る中、体はキンキンに冷えていた。

 椅子に座りたかったが、自分達が座ると、椅子まで濡れてしまうので、床に座った。だが、空気を読めない石柿だけが、椅子にしっかり、腰を下ろしていた。

 頭の先から足の先まで、しずくが垂れるほどのグショグショ状態で、電車に乗ったのは、あれが最初で最後だった。


 そして、2週間くらいした後、晴れた日曜日に再び現地に向かった。

 いろいろなものを回収するためと、どこでなにがあったかを昼間に見ておきたかったためだ。

 本編では、馳谷の元クラスメートと来たと書いたが、その話は、この回収に来た日の、後の話である。

 この日は石柿と桝本と高橋の三人だけで来ている。

 山に入る時は、さすがにためらったが、荷物をそのままにしておくことが出来ず、予定が無かった三人で回収にきた。

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