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裏小屋

第6章 その後

 桝本と石柿が使っていたテントはしっかりと立っていた。

 五人でいたテントは、潰れて、泥に埋もれていた。

 そのままにしておいたドリンクや、スナック菓子の残骸が中から出てきた時は、とてつもない匂いがした。

 さらに、持ち帰る予定だった、余った肉。クーラーボックスの中で腐敗してました。

 オエオエとえずきながら、ゴミをビニール袋に入れ、崩れたテントや、クーラーボックスはゴミとして処分。キッチリ残っていたテントは、石柿が持ち帰った。

 鍋のセットも、濁流によって流されたようだ。

「はぁ、飯食ったところまでは、楽しかったけどなぁ……」と高橋が、しみじみと周りの景色を見ながら言った。

 その後の話は、ほぼ、本編と変わりありません。

 何十年も昔に、事件があっただの、遺体がを解体しただの、残酷な話が出たが、それが真実かどうかが、わからない。

 誰かの作り話なのかもしれない。出来れば、そうであってほしいとも思う。

 だが、この日、小屋の姿を見ることがなかった。

 だが、小屋ではないが、なにか、廃墟化した建物の姿はあった。


 それもなにかあるのかどうかは、知るよしもない。

 だが、この話があったからこそ、フィアードで「小屋」という話が書けて、賞をいただくことができた。

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