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裏小屋

第2章 キャンプ前~キャンプ地まで

 石柿は異常なほど、でかいリュックを背負っていた。

 密林のジャングルか、えげつない標高の山に行こうとしている者が背負うようなでかいタイプのものだ。

「なにを入れてる?」

 桝本が聞くと、石柿はよっこいしょとリュックを下ろす。

「チキンラーメンとマンガの本」

 キャンプやっちゅうねん。

 で、リュックの三分の一は、寝袋。

「雪山でも大丈夫なやつ」

 真夏や!! しかも、標高高くない!!

 石柿は3回、部活で行ってるはずだが、中学卒業してから、夏キャンプたる事のなにかを忘れてしまったのか?

 馳谷は小さなナップサックだ。まあ、アウトドアに慣れてなければそうだろう。

 だが、現地で落ち合う高橋は違った。

 前日に、勝山とアウトドアショップに買い物に出たようだが、リュックではなく、肩から下げるボストンバッグを買っていた。

 この男はキャンプと言うのを、テントで宿泊する旅行だと思っていた。

 それと、缶詰めやら、インスタントのカップ味噌汁も用意をしていたようだが、なぜか、一人分しか用意をしていなかった。

 せめて、人数分用意をしとけ。


 だが、蓋を開ければ、みんななんやかんやと持ってきていて、ラジカセはいいとしよう。ラジオで情報が入るから。

 ウノみたいなカードゲーム、ミニドライヤー(コンセントどこにあんだよ!!)、電気シェーバー(1日くら我慢しろ!!)、パジャマ持ってきてるやつもいた。

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