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好き心少なからず

第9章 想いを込めて~入江希美の場合~

うわ…。皆手際いいなぁ。

私は何をしたらいいのか迷っていると、輝穂ちゃんが聞いてきた。

「バター、混ぜる?」

「あ、うん!!」

ボウルにバターを入れて、泡立て器で混ぜていく。

「のぞみんは誰かにあげるの?」

「へっ!?」

手を止めて輝穂ちゃんを見る。

「皆あげたい人いるみたいだから。そうかな~って」

「あ…うん」

上手に出来れば。

宇野くんに渡して、この前のリベンジ…なんて。

その先を想像して照れて顔を隠すと、輝穂ちゃんがクスッと笑う。

「美味しいの作ろうね」

その言葉に、小さく頷いた。


【おしまい】

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